2011年04月10日(日)

映画『THE LAST MESSAGE 海猿』

加藤あい,映画に関するりばにしの記事

今更ながら,海猿シリーズの最新作にして最終作(ということになっている)である『THE LAST MESSAGE 海猿』を観ました.

原作ファンであり,かつ,加藤あいファンでもある,この僕が,劇場で観ずにいたと信じられない方も多いかと思いますが,好きなものを組み合わせればそのまま好きってわけでもないんです.特に加藤あいのキャラクタは原作には出てこないですし,設定が違ったり,原作の登場人物と同じ名前を別の人物に当てはめていたりと,あまり好きではないところもあります.もちろん,映画化・テレビドラマ化する上でやむを得ない変更があるのも理解できなくはないですが.ただ,原作の佐藤秀峰先生の『海猿』が連載当時から好きだった身としては,やはり原作が一番なんです.

まぁ,前置きはさておき,じゃあなんで今更観たんだって話になるかもしれませんが,それは iTunes Store を閲覧中に見かけたから.家から一歩も出ずに,観たいと思ったときに観られるなんて,便利ですね.レンタルの HD 画質版を 500 円で観ることができました.ネットワークインフラを支えている皆さん,ありがとうございます!(笑)

さて,そろそろ感想をば.

前作『LIMIT OF LOVE 海猿』でやり尽くされたためか,同じような話に見えてくる.前作だとまだまだこんな問題があったなとか考えながら観てしまうと言うか.その一方で,いい意味で裏切ってもくれる.前作とは違うのだよ,前作とは,という感じ.ただ,前作を超えているわけではない.前作と同じような展開になるのを回避しようとし過ぎて,全体的に盛り上がりに欠ける内容になってしまっていると思う.

いくつか気になるシーンが.
無線で本部と話をする際,前作では要救助者に配慮して場所を変えたりという演出があったが,今回は普通に話し続けていた.前作のそのシーンよりも緊迫したシーンが多かったためかもしれないが,要救助者に全て聞こえるように話すのが適しているのか,と気になった.リアリティを追求するとどうなるのかわからないけど.
あとは,正直興醒めしたシーン.1つの台詞を3人で分割して言うシーン.ああいうのいらない.アニメじゃないんだから.

一方,今作で新しくバディとなる服部は,原作ファンにはお馴染みのキャラクタを思い出させてくれる.たしかに,原作のエッセンスをちりばめて映画やテレビドラマを作ってきたのに,彼のエッセンスがすっかり残されていたと思う.そういう観点ではよかった.が,彼にまつわる話は,映画1本ではなかなか描ききれるものではない.そのため,臆病者がそれを乗り越えて一人前になる,というチープな話に化けてしまっているのは残念.原作の彼を超えるものではない.

総じて,いつも通りの感想になるが,僕にとっては,加藤あいを観る作品に過ぎない.それ以上でもそれ以下でもない.

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映画版第1作からは訓練生時代の同期役の青木崇高(彼は映画版第2作にも出ていたが)と海東健が,テレビドラマ版からは巡視船「ながれ」の潜水士役の平山祐介が,続編モノならではのファンサービスとして出演していた.

最後に一言.国や企業としてのメンツを優先するのか,人命を優先するのか,という問題も描かれており,今現実に起こっている問題のことが頭をよぎったのは言うまでもない.もちろん映画のようにやれとは言わないが,判断だけは間違わないでもらいたい.

2011年04月10日17時34分 | Permalink
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